PROJECT STORY

03

MFLP 日野

日本の物流改革を、

日本最大級の物流施設で動かす。

※掲載されている部署名はプロジェクト担当時のものです。

PROJECT PROFILE

三井不動産
ロジスティクスパーク日野

中央自動車道・八王子ICから南東約5㎞の場所に位置する。敷地面積約3万坪、延床面積約6万5000坪。地上5階建・免震構造による国内最大級の物流施設は、差別化しづらいといわれる商品において際立った存在感を放つ。「働く人」に着目し、オフィスのようなエントランスやくつろぎのカフェテラスなどを有し、ハードとソフトの両面から差別化を追求している。

#01

デベロッパーにしかない
ダイナミズムで、動く。

企画

2008年中途入社
商業施設本部 物流施設事業部
(現在の、ロジスティクス本部 ロジスティクス事業部に相当)

数百億円の買い物を、ポン。

2012年のある日。物流施設事業部に異動したばかりの今田は、本部長からこう声をかけられた。「日野で物流はできるか?」 「日野」とは、東京都日野市にある約3万坪もの工場跡地のことだ。以前から三井不動産が取得に動いていた。

「できますよ」。今田は即答した。何を投げかけられてもまずはイエスから入る、というのが今田の仕事哲学だ。もちろん勝算もある。その工場跡地は広大で、中央自動車道や日野バイパスといった幹線道路から近い。最大のポイントは、JR豊田駅から歩いて12分という利便性だ。物流施設では、荷物を保管する倉庫とは異なり高度化された作業が行われる。カタログ掲載用の商品写真撮影、工業製品の組み立て、さらに即日配送への対応……当然、作業スペースのみならずオフィススペースも必要であり、働く人の数も多くなる。電車通勤のしやすさは、テナント誘致の上で大きなメリットだ。

「じゃあ、検討して買ってこい」。それが本部長の答えだった。ちょっとした会話のはずが、次の瞬間、新たなプロジェクトが立ち上がっていた。その決断の速さ。数百億円にも及ぶ買い物をポンと任されるダイナミズム。そして何より、つねに前を向いて進んでいこうとする三井不動産の心意気。「これぞデベロッパーだな」。元金融マンの今田は、そんな実感を強くした。

パターンの洗い出しでリスクヘッジ。

「いきなりそんな広大な土地を買って、大丈夫か?」。社内には慎重な意見もあった。物流施設事業部は発足したばかりで十分な知見やノウハウがなく、心配はもっともだ。そこで今田は、用地購入にあたってさまざまなパターンを比較検討した。「購入価格を抑えられる実物不動産売買とするか、信託受益権売買にして取得税を抑えるか」「建物1棟にして建築費を抑えるか、2棟を段階的に建ててリスクヘッジするか」「最終的に転売したらどうか」「複合開発にはできないか」……あらゆる可能性を探り、かかる数値を想定し、それを積み上げながら収支を見極めていく。万全を期した上で、2012年12月、土地売買を進行。開発にあたっては、地元行政に対して「いかに公益に資する施設であるか」を説明する必要があった。「3PL(※)事業者や通販・Eコマース市場の伸長を背景に、機能性に富んだ物流施設の需要が高まっており、日本の物流のさらなる進化に貢献できる。」その意義の大きさを、今田は力を込めて伝えた。

  • ※「Third(3rd)Party Logistics(略して3PL)」とは、一般的に荷主に対して物流改革を提案し、包括して物流業務を受託し遂行すること
#02

不安の中にこそ、
開発の道標がある。

事業

2007年入社
ロジスティクス本部
ロジスティクス事業部 事業グループ

不安を和らげるためのすべてを。

2013年の春。プロジェクトはある山場を迎えた。竹澤が着手した「行政手続き」だ。住環境に影響を与える大型施設を建てる場合、まず計画概要を行政に提出し、同時に近隣に住む方々への説明を行う。寄せられたさまざまな意見や要望を集約し、計画に反映しながら合意形成を図っていく。さらに、専門家による第三者機関にも諮ることが行政手続きのひとつとして規定されている。

最大の懸案として持ち上がったのが、トラックの交通量増大だった。取得した用地の南東側には住宅地が広がっており、計画そのものに反対する声も少なくなかった。ただ、そうした声こそが竹澤にとっては貴重な財産だった。不安や不満を和らげるために最大限の努力を重ねることが、計画を進める上では道標となるからだ。

トラックの出入り口は、住宅地とは反対の西側に設置されることにした。さらに、騒音や排ガス、ライトの光などが極力敷地外に漏れないよう、施設機能を敷地の中央に集約。それを常緑高木の生け垣で取り囲む。結果として、敷地面積約3万坪、つまり約9万㎡のうちの約2万㎡を緑地に。そしてその一部を広場として開放できるようになった。昔から地域に親しまれてきた、高さ10mを超える桜の古木もそこに移植することで、近隣の方々の憩いの場としても利用いただけるようになったほか、地域の美観を形成する一助にもなった。さらに、何らかの形で地域に貢献したいという想いがあった中で、行政の協力もあり、敷地内に認証保育所を開園することもできた。声を集め、真摯に向き合ったからこその結果だ。

主役はトラック。

もうひとつ、越えるべき大きな山があった。「どのような建物をつくるか」。三井不動産はこれまで、「人」を主役とした施設を開発してきたが、物流施設の場合、主役は「トラック」だ。社内に知見はまだ少ない。また、施設機能を敷地中央に集約したことから、全国的にも手本の少ないパターンにならざるを得ない。竹澤はあらゆる伝手をたどり、参考になりそうな各地の施設を自分の目で確かめて回った。同時に力となってくれたのが、設計会社や建設会社の担当者の方々だった。トラックの導線、床荷重、天井高……プロだけが持つ知識が、竹澤にとっての教科書となり、2014年6月、着工に漕ぎつくことができた。追加の工事や計画見直しに悩まされながらも、そのたびに関係者と知恵を出し合い、工夫を重ね、何とか合意点へとたどり着いた。そして2015年10月、晴れて竣工を迎えることができた。

#03

物流改革へのニーズを、
確かに捉える。

営業

2004年入社
ロジスティクス本部
ロジスティクス営業部 営業グループ

圧倒的な競争力。

一般に、倉庫や物流施設は差別化しにくく、ほぼ賃料のみで判断される商品といわれている。「だが、『MFLP 日野』は違う」。営業担当の杉山はそう感じていた。今田や竹澤たちのおかげで競争力の高い商品に仕上がっているのだ。たとえば今田が着目した電車通勤のしやすさ。これからの物流施設にはマンパワーが不可欠だ。駅が近く、10km圏内に183万人が暮らす立地は「働く人」の確保という点でテナント企業にとっての魅力を見いだせる。さらに竹澤の立てた計画により、トラックにとって極めて快適で効率性に優れた施設になっている。さらに、働く人たちのために共用部も充実・洗練させたのは、三井不動産ならではの価値提供だ。これらのアピールポイントを踏まえ、主に「物流会社」と「荷主企業」の2者へ対して営業活動を行うのが杉山だ。

物流企業は近年「3PL事業者」と呼ばれている。工場や港からの配送にはじまり、製品や商品の受発注、在庫管理、そして情報化にいたるまで、包括的な物流改革を荷主に提案し、受託する存在だ。当然、彼らには、クライアントの求めに応じた拠点が必要となる。だからこそ、三井不動産の施設を利用してもらえる可能性も高い。

そして「荷主企業」とは、極論すれば「現物としての製品や商品を扱うすべての企業」といえる。これまでは自社で物流を手がける企業も多かったが、めまぐるしく変化するニーズに対応するため、拠点は自分たちで確保し、そのオペレーションを3PL事業者に依頼するケースも増えている。いずれにしても「原料を調達する」「製品を生産する」「商品を販売する」など行う企業にとって、物流施設は必要不可欠。杉山は三井不動産が持つ6,000社近いネットワークを駆使し、地道な営業活動を通じてテナント企業の誘致を進めている。

「3〜4%」の優位性。

ニュースでも、「業務提携」という言葉を目にしない日はない。その背後には必ず、物流の効率化によるコスト削減へのニーズが潜んでいて、高機能な物流施設の需要が増しているのは事実である。一方、ある調査機関のレポートによると、『MFLP 日野』のような「先進的物流施設」は日本全体の3〜4%に過ぎないという。情報収集を通じていかに営業先のキーパーソンを割り出し、自社施設の優位性をアピールできるか。そこが杉山の腕の見せどころだ。

物流事業はまだまだ立ち上がったばかり。社内でも特にベンチャースピリッツにあふれている。ひとつでも多くのテナント企業を誘致することが営業の使命だが、日々の活動を通じて顧客ニーズをしっかりと拾い、明日の事業へと展開していくこともまた、自分の役割だと杉山は考えている。

#04

「ともに、つなぐ。
ともに、うみだす。」

運営

2015年入社
ロジスティクス本部
ロジスティクス事業部 運営グループ

前例がないから、自ら動く。

相楽が入社したのは、『MFLP 日野』が竣工する約半年前。「いずれおまえがこの物件の担当になる」。そう告げられた相楽は、看板施設の門出にふさわしい仕事ができるよう、全力で仕事のイロハを学んだ。

初めて物件を目にしたのは竣工検査の日。あまりの巨大さに相楽は圧倒された。だが、見とれている間もなく業務が始まった。管理会社と契約を結び、警備員や設備員などを配置し、当局への届け出などを進めていく。稼動してからのコンプライアンスは、運営・管理を担う相楽にかかっている。消防法に基づく消火器の配置になっているか、人員の配置や体制は条例に抵触していないかなど、行政上・法令上の観点から一つひとつ確認しながら、開業へと突っ走った。

なぜグループ会社ではなく、三井不動産が自ら運営まで手がけるのか。それは、前例のない対応や判断を求められる場面が多いからだ。 たとえば、こんな相談があった。「ラウンジを週1回、打ち合わせ場所として使いたい」。ちょっとした申し出のようだが、まったくの想定外だ。「ほかの利用者の迷惑にならないか」「水道光熱費の負担はどうするか」などの課題を洗い出し、「混雑しない時間帯ならどうか」「有料として時間貸ししたらどうか」など、ルール化を検討しなければならなかった。事の大小にかかわらず、新しい事業はフタを開けてみなければわからないことも多い。走りながら考え、判断し、制度化していくことが求められる。その中で、できる最大限を追求し、働く人たちにとって快適で豊かな環境を生み出したい。それは今田や竹澤、杉山といった先輩たちによる最高の仕事に、「ソフト面での差別化」で応えることにもつながっている。そう相楽は考えている。

お客様の満足度を握るのは、運営だ。

上司に言われ、グッときた言葉がある。「お客様の評価を左右する、最後の満足度を握っているのは全部、運営だ」。また、営業担当からはこうも言われた。「俺たちができるのは、お客様を連れてくるところまで。その後の満足度を高められるのは、おまえたちだけだ」。日野を始めとする担当物件に足を運ぶと、相楽は時間が許す限り、お客様の区画を回る。ルールに反する部分を見つければ改善を依頼するが、同時にこちらにも改善点がないかどうかを尋ねる。三井不動産のロジスティクス事業の成長は決して、自分たちだけの成果ではないと相楽は考える。運営に協力し、理解を示してくれるお客様や近隣の方々、そして行政ほか多くの人たちの支援があってこそ、だ。2016年3月、ロジスティクス本部は全員で、「ともに、つなぐ。ともに、うみだす。」というステートメントを策定した。そこに、相楽がめざす仕事への想いが込められている。

01

MIYASHITA PARK

02

ららぽーと名古屋みなとアクルス

03

MFLP 日野

04

55ハドソンヤード

05

三井アウトレットパーク 台湾林口

06

BASE Q